この論文のポイント
3%食塩水のボーラス投与による有症候性の低Na血症の補正は
3%食塩水の持続投与による補正に比べて
・過剰補正のリスクが少ない傾向にあった(有意差なし)
・1時間後の血清Naの補正値の上昇幅が5mEq/Lに近かった
・患者背景としてSIADHは20%程度しか含まれていない
・採血のタイミングが治療介入後1hr、6hr、12hr、18hr、24hrと間隔は広めで
過剰補正のリスクは持続投与群の方が高かったと思われる。
論文について
Openラベルの前向き多施設のRCT
Inclusion criteria:
18歳以上で、血糖値補正の血清Na
125mmol/L以下で以下のも
Moderate symptoms :嘔気、頭痛、眠気、脱力、倦怠感
Sever symptoms :嘔吐、昏迷、痙攣、昏睡
Exclusion criteria:
心因性多飲、授乳中もしくは妊婦、無尿、ショック、肝障害(正常の3倍以上)、非代償性肝硬変、HbA1c
9%以上の糖尿病、心臓手術の既往、OMI、SVT、ACS、頭部外傷・頭蓋内圧亢進が3カ月以内にあるもの。
原因としては
サイアザイド利尿薬が20-30%
hypovolemic hyponatremia 10-15%
細胞外液量増加が10%前後
副腎不全
12-17%
SIADH 25%程度
Moderate symptoms
65%程度、Sever symptoms 20%程度。
治療開始は救急外来もしくは通常外来がほぼ100%。
患者のNaは平均118mmol/L程度、尿浸透圧
440mOm/kg程度。
治療介入:
治療開始1,6,12,18,24,30,36,42,48hで採血と症状の評価を行い、以下の表のように介入。
Rapid intermittent bolus (RIB group)
Moderate symptoms :3% saline 2mL/kgを20分かけて投与を1回
Sever symptoms :3% saline 2mL/kgを20分かけて投与を2回
上記ポイントのところでNa補正値と症状の程度によりBolusを追加
過剰補正だった場合は下げる治療を行う
※24時間までで症状がとれて5mmol/L以下または30-38時間までで症状が取れて10mmol/L以下の補正の人をどうしたかは明確な記載なし
Slow continuous infusion (SCI group)
Primary Outcome
以下はsecondary outcomeから
RIB groupの方が1時間後の補正の幅が大きく5mEq/Lに近く上がっているのが特徴で、
6時間くらいのところで変わらず、その後はSCI groupの方が高い値をキープしている。
最初の1時間の投与量が大幅に違う。
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