今回の記事で学べる事
・心不全の診断に非常に有用である
・心不全の重症度やボリューム評価にも有用である
・利尿薬強化するかの判断にも使える
論文での推奨
1.
肺エコーにおける心不全での所見は両側で、重力に従って、対称性にInterstitial
syndrome and/or Alveolar-interstitial syndrome and/or White lung signがみられる(A1)
2.
心不全の肺水腫を診断するのに肺エコーは有用な手段である(A1)
3.
肺エコーで診断された心不全患者において、日々の肺エコーでのモニタリングは急性期に患者を安定化させるために重要な方法である(A1)
4.
心不全と診断された患者に対する肺エコーはより高リスク患者や死亡率が高い患者を見分けるのに有用である(A1)
5.
心不全と診断された患者において、Bラインの増加は近い将来の心血管イベントの予測因子となる(A1)
6.
Bラインの数は心血管合併症や再入院や死亡率の予測因子/相関因子である(A1)
7.
Bラインの数は心エコーで異常が見つかることと相関している。それゆえBラインがあること自体が心エコーを実施することの指標となる(A1)
8.
治療効果判定をするときには、同じタイプのプローブを用いるのがいい(C1)
9. Bラインは心不全患者におけるvolume overloadのよいバイオマーカーになる(B1)
10. 心不全において、Bラインの数は肺水腫の重症度、NYHA分類、proBNP値に要相関する(A1)
11. 心不全患者における肺エコーの所見は利尿薬治療を強化するかどうかに有用である(A1)
12. 呼吸困難感を呈する患者においてBラインが認められなければ、心不全は除外され、他の原因を検索すべきである(B1)
13. 肺エコーは心臓由来または肺由来の呼吸困難感を鑑別するのに優れた方法である(A1)
14. 肺エコーは心不全を検出するのに、胸部単純X線写真に比べて有用で、胸部CTと同等程度な方法である(A1)
15. 肺エコーは顕在化したもしくは隠れた心不全を臨床的に評価するのに心エコーを補完する役割を担う
ちなみに
Interstitial syndrome…3本以上のBラインが1肋間でみられる場所が二か所以上あること。
Alveolar-interstitial syndrome…より密に(7本以上?)にBラインが見える所見。
White lung…Bラインが融合してLung
slidingも見えなくなるくらい肺が白く見えること。
今回の論文を読んでみて
心不全における肺エコーはかなり推奨度がたかく、診断にも治療にもいろいろ有効なことがわかった。自分のレベルが高くないので引き続き勉強しながら積極的にエコーを当てながら勉強していこうと思った。
他の参考サイト、文献
日内会誌 101:1429~1431,2012
0 件のコメント:
コメントを投稿