Am J Emerg Med. 2020 Sep 28;S0735-6757(20)30842-1.
(pre proof版)
末梢カテーテルからカテコラミンは投与できるか?
本論文のポイント
・末梢カテーテルからのカテコラミン投与の合併症率は8.6%(95%CI 3.1-21)
・合併症の大部分(96%)はminorなもの
・ノルアドレナリンで0.13γ程度が最も高容量
・末梢からの投与時間は平均25時間程度(min 9.7時間~max 49時間)
・末梢のルートは太いゲージの方が合併症率は低い傾向がありそう
論文について
2020年2月までにPebMed、EMBASE、Scopus datebaseで報告されている末梢カテーテルからのカテコラミン投与に関する論文のSystematic reviewおよびMeta analysis。325の論文がヒットして、最終的には9つの論文、1835人の患者を対象とした。
平均年齢は63歳、女性が48%含まれていた。
ショックの原因としては6割程度が心原性ショックであった。
合併症の定義
minor complication :extravasation, infiltrations, cellulitis, thrombophlebitis
major complication :ischemic limb, necrosis of tissue, venous thrombosis
18ゲージ 33%、20ゲージが56%、22ゲージが7%
ゲージが太い方が合併症のリスクが低い傾向にあった。
カテーテルの留置部位ではあまり差がなかった
最終的には
minor complicationとして
全部で117件の合併症があり、infiltration 72%, erythema 21%であった。
major complicationとして
5件の合併症があり、すべてperipheral venous thrombosisであった。
Pre proof版であることに注意が必要だが、末梢のカテーテルからのカテコラミン投与は1-2日以内、なるべく太いゲージ、ノルアドレナリンで0.1-0.15γ程度であれば安全に使用できるものと思われる。
論文中でもCVCアクセスの確立には64分程度かかるとの報告も引用されており、Septic shockでは早期ノルアドレナリン使用が推奨されてきていることも含めて、末梢からの投与は重要な選択肢となるのだろう。
ただ、末梢から投与する場合には血管外漏出や壊死の化膿性などを事前に話しておく方が無難なのかなと思いました。
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